11-19 冗長表現のチェック:係りと受けの重複
技術文書に見られる代表的な冗長表現に「語意の重複」と「係りと受けの重複」があります。
語意の重複 同義語・類義語が重ねて使われていること、語意の一部が後の語に含まれていること
係りと受けの重複 文を構成する語そのものが重複すること
「語意の重複」は、いわゆる「重ね言葉」です。語意が重複すると、文が冗長になります。
すべての重要事項が網羅的にもれなく記載されている。
[すべて(欠けることなく、どれもみな)- 網羅(あまりなく尽くすこと)- もれなく(残さず)]
・・・ 語意の重複
一方の「係りと受けの重複」は、係りである主語に組み込まれた語が受けである述語にも現れるといった構造的な重複です。たとえば、「象の鼻は長い」ではなく「象の鼻は長い鼻だ」とか「象の鼻は鼻が長い」などと言っているような文です。その原因は、後述する「文の行き先変更」です
A国の環境規制の水準は、近隣の他国と比べて水準が高い。
・・・ 「環境規制の水準が高い」と言っているのではなく、「環境規制の水準の水準が高い」と言っている。
係りと受けの重複は、単に同じ語が出てきて冗長であるというだけでなく、文意そのものが理屈に合わなくなります。
今回は、技術文書に見られるさまざまな「係りと受けの重複」を取り上げて、その直し方を解説します。
1.
技術文書に見られる「係りと受けの重複」
2.
主語の二度使い
3.
述語の二度使い
4.
目的語の二度使い
5.
目的語と補語での語の重複
6.
名詞修飾節と被修飾語での語の重複
7.
節間での文意の重複
8.
前後の文での似た語の繰返し
9.
「である」の多用
10. 「考える」の二重使い
11. 「ている」の多用
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
[注]今回のテーマは他の回と関連するため、以前に解説した内容と重複する箇所があります。
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