11-22 冗長表現のチェック:連体助詞「の」の重ね使い
文を表す際に連体助詞「の」で語を関係づけた名詞句を頻繁に使います。
2019年度の売上高 初期設定の変更 リサイクル率の向上
・・・ 修飾語が連体助詞「の」を伴って被修飾語に係る名詞句
ただし、連体助詞「の」によって前の語が後の語にどのように係るのか考えることなく安易に「の」を二つ連ねると、修飾語と被修飾語の関係が二つできて名詞句に無理が生じる場合があります。
製品Aの欧州環境規制の適合を図る。 製品A-の-欧州環境規制-の-適合
・・・ 「製品Aの欧州環境規制」の「何か」への適合を行うと読めてしまう。
・・・ 「製品Aが欧州環境規制に適合するようになんらかを行う」とは読みづらい。
「の」を重ねるとしても二つが限度です。単純に語を連ねると、二つの「の」によって完結した名詞句を修飾語にして、それを最後の語にかけるという形になりかねません。
2019年度の東京支店の売上高の科目別内訳書
・・・ [2019年度-の-東京支店-の-売上高]-の-科目別内訳書
連体助詞「の」の重ね使いは、名詞句が不要に長くなることから冗長表現とも言えます。単純に語を連ねるのではなく、語の関係を考えて「の」を使う必要があります。
今回は、連体助詞の重ね使いの中でも無理がある例を取り上げて、その直し方を解説します。
1.
連体助詞「の」が二つでも不自然でない使い方
2.
連体助詞「の」が三つ連なる原因
3.
陥りやすい事例:「名詞句ありき」の書き方
4.
語の関係を補強する使い方
5.
名詞修飾節で表すのが適切な名詞句
6.
陥りやすい事例:連体助詞「の」ではまとめきれない名詞句
7.
連体助詞「の」が四つ連なった名詞句の直し方
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
[注]今回のテーマは他の回と関連するため、以前に解説した内容と重複する箇所があります。
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