11-5 用語のチェック:無理がある造語
個々の語は知っていても、それらが「他では見かけない複合語」になって技術文書の見出しあるいは段落で使われている場合があります。なんとなく言いたいことはわかっても、語としては不自然に思えます。
開発前提 ・・・ 一般的な複合語ではない。「開発の前提となる事項」であると想像される。
一方で、「開発を前提とする」という考え方を意味しているようにも読めて不自然に思える。
また、語の組合せによっては本来の趣旨とは逆の語意になる場合もあります。
感染防止対策 ・・・ 「(ウィルスへの)感染の防止」を好ましくない事態と扱っていることになる。
「対策」は好ましくない事態を解決する策であって、「節税対策」などとするのも不自然になる。
「意味は想像できても広く定着していない複合語」や「構成に矛盾がある複合語」などは、「無理がある造語」と言えます。
今回は、技術文書で見られるさまざまな造語を取り上げて、それらができる原因と問題点を解説します。
1.
「定着した用語」と「無理がある造語」の違い
2.
技術文書で見られる「無理がある造語」
3.
陥りやすい事例:連体助詞「の」などの安易な省略
4.
陥りやすい事例:語の多重化と置き換え
5.
陥りやすい事例:既存の複合語をもとにした置き換え
6.
陥りやすい事例:形容詞・形容動詞に語を添えた複合語
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
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