12-1 読点を使う際の基本
読点(とうてん)は、日本語の文に付ける区切り記号です。通例は「、」で読点を表して、「てん」と呼んだりします。実務文書では、単文の主語とそれ以降であるとか複文の従属節と主節といった「文の大枠」を視覚的に示すのが読点の基本的な使い方です。
試作品Aは、耐久試験に合格した。
・・・ 主語に添えられた係助詞「は」に付く読点
内部に雨水が侵入したため、電源回路が短絡した。
・・・ 従属節に添えられた形式名詞「ため」に付く読点
また、列挙する語を区切ったり誤読を避けたりする際にも読点を使います。
コピー、スキャナ、FAX、プリンタを一体化した製品
・・・ 列挙された語を区切る読点
LINKランプが緑になったら、再度、起動ボタンを押してください。
・・・ 「再度」と「起動ボタン」を区切る読点
読点の多用は、文の分断につながります。読点を付けるべき箇所と控えるべき箇所を整理しておくと、使い方に迷わなくなります。適切な箇所に読点を付けると、文の構成がわかりやすくなります。
今回は、技術文書で読点をどのように使うのが適切なのかを述べてゆきます。読点の要否を迷いやすい箇所であるとか読点によって文の区切りが不自然になる例は別の回で解説します。
1.
読点で示すべき文中の切れ目
2.
単文で係助詞「は」に読点が付く意味
3.
複文で「前の節」に読点が付く意味
4.
読点を付けるのが適切な箇所
5.
読点を控えるのが適切な箇所
6.
単文での読点の優先順位
7.
単文での読点の追加と省略
8.
複文での読点の追加と省略
9.
語を列挙する際の読点
10. 誤読を避けるための読点
11. 「読点・句点」と「全角コンマ・全角ピリオド」の使い分け
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
[注]今回のテーマは他の回と関連するため、以前に解説した内容と重複する箇所があります。
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