3-3 「は」と「が」の使い分け
係助詞「は」と格助詞「が」は、いずれも主語に付きます。両者を適宜に使い分けていても、その違いを説明せよと言われたらなかなかできません。
本製品のカバーは、リサイクルしやすい樹脂でできています。 ・・・ 主語に「は」が付く文
製品Aの表面にさびが発生した。 ・・・ 主語に「が」が付く文
また、「は」しか出てこない文と「は」と「が」が出てくる文との違いを的確に説明できない場合もあります。
A車の車重は、B車より10%軽い。 ・・・ 「は」だけが出てくる文
A車は、B車より車重が10%軽い。 ・・・ 「は」と「が」が出てくる文
「は」と「が」の違いなどどうでもよいとしていると、きわめて不自然な文を書いてしまいかねません。
担当者は警報を無視して運転を続けたことは、事故検証委員会で問題になった。
・・・ 「は」では不自然になる。
「は」と「が」の違いを説明する必要はなくても、両者の違いを整理しておくのは文を的確に表すのに有益です。自身が「何を表そうとしているのか」あるいは「何を表しているのか」を一歩深い視点で見直せます。
今回は、文の形はさまざまなであっても「は」と「が」の使い分け方は根底が一つであることを述べてゆきます。
1.
係助詞「は」と格助詞「が」の違い
2.
係助詞「は」が表す「対象の取り立て」
3.
主語に「は」が付く文と主語に「が」が付く文の違い
4.
名詞文での「は」と「が」の使い分け
5.
「ハガ文」での「は」と「が」の意味
6.
形容詞文での「は」と「が」の使い分け
7.
存在文での「は」と「が」の使い分け
8.
動詞文での「は」と「が」の使い分け
9.
複文での「は」と「が」の使い分け
10. 名詞修飾節の主語に付く「が」の扱い方
11. 受身文での「は」と「が」の使い分け
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
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