3-4   主語と述語の対応

主語と述語は、対になって「文の骨格」を形成します。主語が欠落していたり主語が的確に述語に係っていなかったりすると、文意が正しく伝わらないおそれがあります。

主語でない語が主語に見える文

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主語と述語で不自然に語が重複する文

           本試験の目的は、部品Aが破断した原因を明らかにすることが目的である。

主語と述語が整合しない文  

           製品A在庫が、大量に余った                          

よく見かけそうな文も、はたして主語と述語が的確に対応しているかというと少し疑問に思えてくる場合があります。なんとなく意味が通じればよいとか誤った事実を述べていなければよいとかでは、読者が困ります。

本充電器は、A社が公式に対応しています  ・・・「A社のほうが充電器に対応している」とも読めてしまう。

技術文書を構成する文は、的確に表されていなくてはなりません。主語と述語の対応は、文を表す際の根幹です。主語と述語などというと、技術者の皆さんからとかく敬遠されます。しかし、技術にはそれが成立する原理があるように、文にも「形」があります。そこに着目するには、むしろ工学的な視点が必要です。

今回は、技術文書でありがちな「主語と述語の対応が曖昧な文」を取り上げて、そこに内在する主語と述語の不合理な関係を直してゆきます。

1.     「主語と述語の対応」とは

2.     技術文書に見られる「主語と述語の対応が曖昧な文」

3.     陥りやすい事例:「何は/何が」の欠落

4.     陥りやすい事例:誤認されやすい主語

5.     「文の行き先変更」が招く主語と述語の不整合

6.     陥りやすい事例:係りと受けの二重化

7.     陥りやすい事例:事物の「人」扱い

8.     陥りやすい事例:「受け」側の語のもれ-

9.     陥りやすい事例:主語と述語での語意の不整合

10.   陥りやすい事例:主語にそぐわない形容詞

11.   陥りやすい事例:主語にそぐわない形容動詞・動詞

まとめ

後 記 

© Yamanouchi Takaaki 2024

[注]今回のテーマは他の回と関連するため、以前に解説した内容と重複する箇所があります。


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