3-6 受身文・使役文の扱い方
ここでの「受身文」とは、助動詞「れる/られる」を伴って他から受ける行為や作用などを表す文です。
受身文の例 研究成果が報告された。 画面に結果が表示される。 車種Aに自動運転機能が追加された。
ここでの「使役文」とは、助動詞「せる/させる」を伴って行為や作用などを他にしむける働きかけを表す文です。
使役文の例 担当者に被害状況を調査させる。 フィルタを乾燥させる。 触媒で反応を促進させる。
いずれもよく使う助動詞でありながら、不自然な用例も一部に見られます。
不自然な受身文 非常停止装置によって3号機が停止された。
・・・ 非常停止装置が積極的に働きかけて3号機を停止したように読める。
不自然な使役文 製品Aを欧州環境規制に適合させる。
・・・ 「製品A」が書き手の命令を受けてみずから欧州環境規制に適合することになる。
今回は、受身の助動詞「れる/られる」および使役の助動詞「せる/させる」の基本を確認して、技術文書でのそれぞれの使い方を述べてゆきます。
1.
受身の助動詞「れる/られる」の基本
2.
技術文書での受身文の使い方
3.
陥りやすい事例: 自動詞を使った受身文
4.
使役の助動詞「せる/させる」の基本
5.
技術文書での使役文の使い方
6.
陥りやすい事例: 他動詞文の代替になった使役文
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
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