3-8 「原因」を表す文と「理由」を表す文
原因と理由は、その区別がしばしば曖昧になります。語としての「原因」と「理由」は、問いかけ方で区別できます。
できごとの原因 「それは何によって起こったのか/起こるのか」と問われた際の「何」に相当する。
できごとの理由 「どういうわけでそうなったのか/そうなるのか」と問われた際の「わけ」に相当する。
行為の理由 「どういうわけでそうしたのか/そうするのか」と問われた際の「わけ」に相当する。
・・・ 「どういうわけで」を「なぜ」、「なにゆえに」あるいは「どうして」に置き換えても同じ。
区別を曖昧にすると、原因と理由を取り違えかねません。見出しを「原因」としたにもかかわらず、理由あるいは経緯を述べている報告書をしばしば見かけます。
今回は、技術文書での「原因」および「理由」それぞれの表し方を述べてゆきます。
1.
技術文書での「原因」と「理由」
2.
「原因」を表す文
3.
「原因」を「理由」で補完する形
4.
陥りやすい事例: 原因の多重化
5.
「できごとの理由」を表す文
6.
「行為の理由」を表す文
7.
「提案の理由」を表す文
8.
目的の「ため」との原因・理由「ため」の使い分け
9.
陥りやすい事例:目的と理由の区別が曖昧な「ため」
10. 陥りやすい事例:目的と理由の区別が曖昧な「のため」
11. 陥りやすい事例:理由の多重化
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
[注]今回のテーマは他の回と関連するため、以前に解説した内容と重複する箇所があります。
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