4-17 複文の添削:節が「入れ子」になった複文
複文を表す際は、係りと受けの関係にある節それぞれの主語と述語を対にして置くのが原則です。
複文の原則の一つ 節を構成する語の間に他の節が割り込んだ形にしない。
・・・ ここでの「節」 文中にあって述語とそれに係る語で構成されたまとまり
一つの節を一つの節にかけるからこそ、節の関係を端的に表せます。
従属節(主語-述語) 主節(主語-述語)
ワークに位置誤差が発生すると、自動停止装置が作動する。 ・・・ 反復・恒常的な依存関係を表す複文
主節の主語を係助詞「は」で取り立てて文頭に置くと、主節の主語と述語の間に従属節が割り込んだ「入れ子」になります。主節の主語と述語が従属節を挟んで離れると、複文とは呼びにくい形になります。
2号機は、圧力調整弁が故障したため、停止した。 ・・・ 主語と述語の間に他の節が割り込んだ文
・・・ 「2号機は」が以降の「圧力調整弁が故障したため、停止した」に係るため、的確な従属節と主節の関係にならない。
目的を表す節に手段を表す節を組み込むと、「事物が何かを行為する」と読める複文になりかねません。
生産ロスは、セル生産方式を導入して、低減する。
・・・ 「生産ロス」という事物が「セル生産方式の導入」によって「(何かを)低減する」とも読めてしまう。
今回は、技術文書でしばしば見られる「入れ子型複文」の事例をあげて、それらの直し方を解説します。
1.
「事物は」から文を始める習慣
2.
陥りやすい事例: 因果関係が保証されない「入れ子型複文」
3.
「手段」が入れ子になった複文
4.
「理由」が入れ子になった複文
5.
「条件」が入れ子になった複文
6.
「目的」が入れ子になった複文
7.
陥りやすい事例:節の関係が曖昧な「入れ子型複文」
8.
陥りやすい事例:名詞修飾節の係り先が曖昧な「入れ子型複文」
9.
陥りやすい事例:「文の主題」の係り先が曖昧な「入れ子型複文」
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
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