4-6 「全部」を表す副詞の使い方
「ほとんど」や「きわめて」などの相対的な程度を語に添える副詞に対して、「まったく」とか「すべて」といった全部・絶対の意を語に添える副詞があります。
報告書には、不明な点はほとんどなかった。 「ほとんど」 ・・・ 相対的な程度を添える副詞の一つ
報告書には、不明な点はまったくなかった。 「まったく」 ・・・ 全部・絶対の意を添える副詞の一つ
語に全部・絶対の意を添える副詞は、相対的な程度を添える副詞に比べて簡単そうに思えます。しかし、「まったく」と「すべて」の使い分けが曖昧になる場合があります。また、技術文書でも「全然大きい」などの話し言葉的な使い方も時おり見られます。
今回は、一部に形容動詞「完全に」を含めながら、全部・絶対の意を添える「すべて」や「まったく」などの副詞の使い方を述べてゆきます。
1.
「まったく」と「すべて」の使い分け
2.
「まったく」の意味を考えた「完全に」の使い方
3.
「まったく-ない」と「全然-ない」の使い方
4.
打消しを伴わない「全然」の扱い方
5.
陥りやすい事例:対象が曖昧な「すべて」、「完全」
6.
陥りやすい事例:「まったく」と「すべて」の干渉
まとめ
後 記
© Yamanouchi Takaaki 2024
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